20191

幸福についてショーペンハウアー原作 Teamバンミカス・伊佐義勇まんが  講談社まんが学術文庫

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

幸福について (まんが学術文庫) [ ショーペンハウアー ]
価格:648円(税込、送料無料) (2018/11/23時点)

ショーペンハウアー(ショーペンハウエル)は有名な哲学者ではありますが、もちろん私は彼の著書を読んだことはありません。ま、そんなもんでしょう。ということで、「まんがでちゃちゃっと4000!!」という講談社まんが学術文庫で読んでみました。

老年期に至るまで社会的に認められなかったショーペンハウアーは、一般的基準から言うと幸福ではなかったように思えます。が、「孤独でいる時のみ人間は自由なのだから」なんてうそぶいて、意外と楽しく生きていたらしいです。

裕福な家庭に生まれたので、若いことから半隠遁生活を送れたのでしょうが、むやみやたらと他人と比べたりしない生き方は、そうなのかもしれないなあ、なんて思います。でも、イギリスでは孤独は健康に良くないって孤独担当相を任命したんですって。どうしましょ。

 

 

歎異抄唯円原作(親鸞 述)Teamバンミカスまんが 講談社まんが学術文庫

親鸞は浄土真宗の開祖。晩年の弟子である唯円が親鸞の言葉をまとめたものが歎異抄であるといわれています。その中身は、って言われると、知ってるのは「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」ぐらい。ま、ここら辺は日本史の試験でも頻出、暗記必須、です。で、この意味を説明できて、あとちょっと大乗仏教とか小乗仏教なんて付け加えれば、記述式問題も何とかなるんじゃないですか。

で、そこから先を知りたくなったあなた、にぴったりなのが本書。難しい本なんか読んじゃいられないでしょ、だって大乗仏教、私たちのような凡夫を救う宗教なんだから……。

 

 

恋愛と贅沢と資本主義ゾンバルト原作 Teamバンミカス・名波雄太まんが 講談社まんが学術文庫

本書の冒頭で、ゾンバルトは「資本主義は「恋愛と贅沢」から生まれた」と喝破しています。人間は皆、女に(男に)もてたい、とか、贅沢は素敵だ、なんて行動原理に基づいて行動しているんです。もっとはっきり言っちゃうと、エロとカネ(ミエかもしれませんが)ですね。近現代の経済学に登場する合理的経済人なんてどこ探してもいやしませんよ。

まあ、それはそうなんでしょうが、それだけが正しいってわけでもないような気もします。

 

 

資本論マルクス原作 岩下博美まんが 講談社まんが学術文庫

相対的剰余価値とか絶対的剰余価値なんてマルクス経済学に出てくるテクニカル・タームが物語とともに説明されていきます。

でも、私が印象に残っとのは、庶民が永遠に搾取されていく構造。上に立つ人間の呼び名は変われど、庶民の暮らしは変わらない。じっとわが手を見る……。

 

 

政談荻生徂徠原作 近藤たけしまんが 講談社まんが学術文庫

荻生徂徠は江戸時代中期の儒学者だそうです。彼の思想信条は、かの赤穂浪士の討ち入り事件の処理を巡り、討ち入りを賛美し除名嘆願が幕府内からも出る中、法に基づいた処分(ただし名誉ある切腹)を主張したことによく表れているように思います。

ここから見えるのは武士の論理(てか情)の支配する世界ではなく、法とか制度とかといった理性が支配する世界を求める姿勢、でしょうか。

ですが、本書はSORAIという人工知能(AI)が統治する近未来を舞台にしたSFチックなお話として展開していきます。AIが提唱するドライで合理的な世界はどんなもんでしょうか。ここから先は是非本書をお読みください。

 

 

罪と罰ドストエフスキー原作 岩下博美まんが 講談社まんが学術文庫

ご存知ドストエフスキーの名作。私も読みかけたことはあるのですが、延々とあーでもないこーでもないとウジウジ考え続けるインテリゲンチャにゲンナリして、読み続けられなかった経験があります。まんがで読めるとは有り難いですね。

『罪と罰』は「哲学書であり、ミステリーであり、恋愛小説」でもあるんだそうです。どうです、読みたくなりました?

 

 

ツァラトゥストラはかく語りきニーチェ原作 堀江一郎著 十常アキまんが 講談社まんが学術文庫

「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか、ニ、ニ、ニーチェかサルトルか」のニーチェです。若い人には分からないか。

戦前の旧制高校の生徒ならともかく、戦後生まれの私たちにとってニーチェなんて、名前は知っていても、その著作を読んだ、なんて方は少ないのではないでしょうか。それがマンガで読めるとは、良い時代になったもんですね。

「神は死んだ」ので、私たちは「超人たれ」ってことらしいです。ムリだな。

 

 

カラマーゾフの兄弟ドストエフスキー原作 岩下博美まんが 講談社まんが学術文庫

講談社まんが学術文庫に二度目の登場のドストエフスキー。人気ありますね。

どうやら『カラマーゾフの兄弟』も「哲学書であり、ミステリーであり、恋愛小説」の要素を多分に持っているようです。幾重にも物語が交錯しており、しかもそれが収斂することなく物語が終わってしまうのです。読了できない読者がたくさんいるわけだ。

 

 

2018年度の書評はこちら