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投資理論2 ウェルス・マネジメント

Rushmore University

Global Distance Learning DBA

大國

はじめに

現代金融工学は極めて洗練されたアセット・マネジメント理論をもたらした。現実に、機関投資家や大手の事業法人によって、アセット・マネジメント理論は実践されている。

ところで、このような大きな資産を持つ投資家を対象とした理論は、個人など資金規模も比較的小さく、リスク許容度も大きく異なり、何より投資期間も異なる投資家にそのまま適用可能なのであろうか。

本稿の目的は、ファイナンシャル・プランナーなどが個人向けの投資アドバイス、あるいはポートフォリオ・マネジメントを行う場合、どのような姿勢で取り組むかを考察するものである。

ウェルス・マネジメントとは何か

最近では、ファイナンシャル・プランニング、ファイナンシャル・プランナーという言葉が大変一般的に使われるようになってきた。本稿でも中心的に取り上げるハロルド・R・エバンスキーも独立系ファイナンシャル・プランナーである。

彼はウェルス・マネジメントという言葉を使うことによって、意識的にアセット・マネジメントとは異なった意味合いを持てせている。

アセット・マネジメントの目的が、高い投資効率を上げることにあるとすると、ウェルス・マネジメントの目的は、顧客が人生の目的を達成することを手助けすることにある。一般的にはそのアドバイスは顧客の財政上の問題を取り扱うことが多いであろうが、必ずしも財政上の問題のみを取り扱うわけではない。従って、ウェルス・マネジメントを行うに際しては、顧客に対する極めて広範な知識が要求される。

また、ウェルス・マネジメントは顧客の大変個別な要求を実現するために行われる。「ウェルスマネジャーにとって、一般的なクライアントなどというものはいない」(Evansky, Harold R., THE WEALTH MANAGEMENT,(三原 淳雄/北山 雅一訳『ウェルス・マネジメント』p7))のである。

顧客情報の収集

ウェルス・マネジメントをきちんと行うためには、事前の情報収集が必要になる。一般的には、顧客の年齢、家族構成、収入、資産・負債状況、今後の出費の予定などを記載するフォームを用意して顧客に記入してもらうのが普通である。また、投資に絡んで、これまでの投資経験なども同時に聞くことが多い。

このようなフォームの記載を依頼する場合に注意しなくてはいけないのは、一般の方は自分の資産・負債の状況、収入などをきちんとは把握していない場合が多いことである。サラリーマン家庭においては、収入として把握しているのは、手取金額だけである場合が普通で、所得税や住民税をいくら支払っているかを正確に把握している場合はまれである。また、社会保険費をいくら支払っており、年金をいつからいくら受け取れるかを把握している人間は、社労士の資格でも持っていない限り、正確に把握することは困難である。

また、支出についても現在では家計簿などで正確に把握している家庭はまれで、ほとんどがどんぶり勘定である。収入金額と支出金額を個別に質問した場合、手取額についてはある程度把握しているものの、支出については際めて不正確なことが多い。特に、実際の支出を家賃、食料費、被服費、などと項目別に質問して足し合わせると、実際とは異なり、毎月極めて多額の貯金が可能なはずであったり、その逆であったりするな場合が多い。これは、一般の方が、いかに自分の財政状態を正確に把握していないかを示している。

従って、通り一遍の顧客情報を収集、それをもとにウェルス・マネジメントを行うことがいかに危険、あるいは役に立たないものであるかを示している。現在では、ファイナンシャル・プランニング関係のソフトウェアが充実してきており、不充分なインプットをした場合でも、ある程度の回答が出せるようになっている場合が多い。データの質には充分に注意しなくてはならない。

顧客の目標設定

ウェルス・マネジャーは、顧客が人生において何を実現しようとしているかを明確にしなくてはならない。そして、具体的なウェルス・マネジメントを行う場合には、その目標を数値化する必要がある。顧客の目的が安心な老後を送ることが問題であった場合、具体的にどの程度の資金が必要になるかを明確に把握していることは少ないであろう。このような場合には、ウェルス・マネジャーは顧客がその目標を達成するのに必要な資金はいくらぐらいになり、資金をどのように運用すべきかをアドバイスする。また、顧客が実際に“老後“の時期にさしかかるまでに時間があるのであれば、それ以前のイベント(自宅の購入、子供の進学など、多額の費用がかかることが予想されるもの、あるいは不慮の事故など)に対するリスク・マネジメントが必要になる場合もあるかもしれない。

ウェルス・マネジャーはさまざまな要因、リスクを洗い出し、顧客が優先順位をつけることの手助けをする(優先順位をつけるのはあくまでも顧客である)。そして具体的なリスク・マネジメントを行うのである。

ライフサイクル投資法

現在一般的になりつつある投資方法として、顧客のライフステージに合わせてポートフォリオを変化させていくライフステージ投資法というものがある。一般的には株式に対する投資を100から顧客の年齢を差し引いた比率にし、残りを債券に投資するものである。マルキールもその著書の中で表1のようなアセット・ミックスを推奨している。

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出展 Malkiel, Burton G., A Random Walk Down Wall Street,(井出 正介訳)『ウォール街のランダム・ウォーカー』p402)

一般的には排除すべき理論ではないのであろうが、エバンスキーも「この考えは社会学者にとっては有益であるが、個々のクライアントのニーズに合わせるには危険である。ライフサイクルの概念は、年齢が最も重要な要因であるとする考えを普及しがちなだけでなく、投資ポートフォリオを策定する際の規範と考えられがちである」(Evansky, Harold R., THE WEALTH MANAGEMENT,  (三原 淳雄/北山 雅一訳『ウェルス・マネジメント』p8))と批判している。

顧客のライフサイクルを考えた場合、リスクというとどうしても死亡などを真っ先に考えがちである。ところが、死亡のリスクは保険などでうまくカバーできる場合が多い。実際には、長生きするリスクの方が大きいのではないだろうか。日本人男性の平均余命を77歳とした場合、77歳までのプランを示せば良いプランといえるのであろうか。

特に、顧客に充分に資金がない場合には、どうしてもある程度資金を取り崩していくプランを策定しなくてはいけなくなる。その場合、平均余命を根拠として資金を取り崩していくプランを立てることは危険である。それ以上に生きた場合、資金手当てがつかなくなってしまう。

ライフサイクル投資法を機械的に適用していくことには慎重でなくてはならない。

個人投資家のリスク許容度と選好度

投資家が一般的にリスク回避的な行動を取るといわれている。しかし、質問のし方を換えると、必ずしも一貫したリスク回避的な行動・投資パターンを実践するものではないことは、拙稿「投資理論1 リスク」でも触れたとおりである(1)。顧客の投資姿勢が分からないとしたら、適切なアドバイスが出来ないことはもちろんである。

また、顧客のリスク選好度とリスク許容度は異なった概念であることにも注意が必要である。リスク選好度とは顧客が個人としてどの程度リスクのある投資を好むかである。これは、どちらかというと個人の趣味に属する問題であろう。

これに対して、リスク許容度は顧客の客観的状態がどの程度のリスクを負えるかを問題にしている。このリスク許容度は、投資以外のどの程度の資産・収入を持っているかに関わってくる。

顧客の資産規模が大きい場合には、少々の博打(金額的には大きいかもしれないが)を打ったところで顧客の人生には大きな影響を与えないであろう。むしろ、単調な生活に潤いを与えるかもしれない。逆に、資産規模が小さい場合には、異なった対応が求められる。顧客の年齢が若い場合には、今後給与収入も見込めるであろうし、高い人生目標を実現するためにリスクを取る投資を薦めることも十分に考えられる。逆に、顧客の年齢が高く、投資資産以外にめぼしい資産もなく、給与収入も見込めない場合には、人生をなげうってしまうようなリスクを犯すべきではないであろう。場合によっては、人生の目標を下方修正するアドバイスが必要な場合もあるかもしれない。

顧客のリスク選好度を質問などによって明らかにしていく一方で、ウェルス・マネジャーは顧客のリスク許容度を判断しなくてはいけないのである。

長期投資

一般的に、ファイナンシャル・プランナーあるいはウェルス・マネジャーは長期投資を薦める。エバンスキーもマルキールもこの点では同様である。これは、長期投資がリスクを減少させる効果があることのほかに、経済学的には、積極的運用はほとんど意味をなさないことが証明されているからである。

効率的市場仮説のもとでは、株価はランダムに動くとされている。従って、いかに投資対象の研究をしたところで、インサイダー情報でも入手しない限り、市場に勝つことはできない。

実際にも、いわゆるインデックス型の運用をしているファンドを長期にわたってアウトパフォームするアクティブ運用型のファンドはほとんどないといわれている。

積極的な売買を繰り返すことは、証券会社を利するだけである。ウェルス・マネジャーの目標は、顧客が長期的な人生目標を達成することにある。ウェルス・マネジャーはファンド・マネジャーではない。

顧客教育

インデックス型の投資を勧めても、より積極的な運用を好む顧客もいるかもしれない。また、顧客の友人が大もうけしたことを吹聴した時に、投資実績が悪いとしてウェルス・マネジャーを非難する顧客もいるかもしれない。

また、長期投資をする場合には、顧客のポートフォリオが一時的に損失をこうむることも考えられる。そのときに、顧客が慌てずにそのポートフォリオを持ちつづけることを簡単に納得するだろうか。

これらすべて、顧客教育に関わってくる。

エバンスキーは顧客のリスク許容度質問表(Risk Tolerance Questionnaire)の中に、次のような質問を忍び込ませている。

「あなたの好みを表わしている文章を選んでください。

l        株式市場が上昇するときにその市場のなかにいるよりも、株式市場が下落しているときにその市場の外にいたい(株式の市場の価格変動性を受け入れることができない)。

l        株式市場が上昇するときにその市場の外にいるくらいなら、下落しているときにその市場のなかにいたい(私はこの考えが好きとは言えないが、市場リターンを得るために、株式市場の価格変動性を受け入れることができる)。」(Evansky, Harold R. , THE WEALTH MANAGEMENT,(三原 淳雄/北山 雅一訳『ウェルス・マネジメント』p63))

言うまでもないが、顧客の自然な欲求は株式市場が上昇しているときには市場のなかにいて、下落するときは外にいることである。「もし、クライアントが、株式市場の価格変動性を受け入れることができないというのであれば、唯一の代替案は、すべてを債券のポートフォリオで組むことであるが、それは彼の長期的な目標を満たすことはできないだろう。われわれはそう説明するのである」(同前p63)。また、タイミングを図った運用がうまくいかないことは、前述のとおりである(これについては、Malkiel, Burton G., A Random Walk Down Wall Street,(井出 正介訳『ウォール街のランダム・ウォーカー』)に詳しい)。

エバンスキーが実際に使っている質問表の他の項目にも、相場の変動がありうることについて何回も言葉を変えて質問している。これは、顧客のリスク選好度、許容度を測ることが目的であるばかりではなく、顧客教育を目標としているためであろう。

ただ単に説明するのではなく、顧客に答えさせることによって、顧客の納得を得やすくしている。このことは、金融商品販売方の施行に伴い重要事項の説明が義務付けられる金融機関にとっても、大変示唆に富む方法であるといえるだろう。

ウェルス・マネジメント・ビジネスの今後

日本におけるファイナンシャル・プランニング・ビジネスは1990年代、ここ10年ほどの間に発展してきた。この10年、日本は不況にあえいでおり、個人が積極的に資産運用する環境になかった。それだけでなく、米国とは異なり、日本でファイナンシャル・プランナー(あるいはウェルス・マネジャー)が銘柄選定に踏み込んだ運用アドバイスを行うには、証券業もしくは投資顧問業免許が必要になるため、実際にそこまでの投資アドバイスを行っている独立系ファイナンシャル・プランナーは多くなかった(何らかの金融機関(証券会社、保険会社)などに所属している場合はその金融機関の販売する商品を販売できることは言うまでもない)。また、米国とは制度が異なり、独立系のファイナンシャル・プランナーが証券会社などから販売手数料を受け取ることが難しかったことも、運用アドバイスをビジネスとして行うことを妨げてきた。

従って、投資アドバイスについては米国系のファイナンシャル・プランニングの教科書、指南書が大きなページを割いているのが普通であるのに対して、日本のものでは、投資政策や投資理論に詳細に触れているものは比較的少数にとどまっていた。

しかし、日本番ビッグバン以後、政策的にファイナンシャル・プランナーの重要性が強調されており、法律的位置付けが変わる可能性もある(2)。また、コンサル型の営業は既存の証券会社や保険会社といった金融機関においても重要視され始めている。これらに所属しているファイナンシャル・プランナーの場合、商品販売に関して法的な問題はない(ただし、日本の会社制度のもとで、競合他社の商品を推薦できるかどうかは微妙である。ファイナンシャル・プランナーの場合、独立しているか否かが問題になるのは、このような場合である)。

日本経済においても、超低金利政策を脱し、本格的景気回復へ歩を進める時期も近いと思われる。その場合、ファイナンシャル・プランナー(あるいはウェルス・マネジャー)にも運用に関するアドバイスが求められることは必至である。その場合、ファイナンシャル・プランナーに求められることは、中立的立場からの運用アドバイスであろう。日本におけるファイナンシャル・プランニング・ビジネスにおいても、運用に関する高度なアドバイスの技術が求められるようになるのであろう。

結論

現代において金融業を営むものにとっては、従来型のただ単に金融商品を顧客に販売していくという手法が通じなくなっていることは自明である。ただ単に商品を買うだけであれば、オンラインでいくらでも注文できる。しかし、オンラインの商品販売において、商品選択はできたとしても、個人個人のポートフォリオを勘案した投資を行えるかどうかは極めて疑わしい。

また、個別の金融機関にとっても、オンライン市場における手数料の引き下げ競争をしているだけでは将来性はない。そのような環境の中で金融商品の販売を行っていくためには、単なる商品の販売ではなく、販売方法に付加価値が求められる。その付加価値のひとつとして、本稿に取り上げたウェルス・マネジメントの手法は大いに役立つことであろう。

ウェルス・マネジャーは財テクの指南役でもなければ、倹約コンサルタントでもない。ウェルス・マネジャーは金融、法律、その他諸々の知識を総動員して、顧客が自己の人生における夢を現実のものとするための手助けを行うのである。

また、ウェルス・マネジャーは顧客が人生の目標を実現するための手助けを行う上で、顧客への教育も行う。個人投資家は、経済学に規定するような首尾一貫した合理的判断を常に下すわけではない。そのような場合に、ウェルス・マネジャーは顧客の行動を規制し、従来の方針を再認識させなくてはならない。当然、その前提として常日頃から顧客に対して、どのような投資方針をとっているのか、それはなぜなのかを明らかにしていなくてはならない。

ウェルス・マネジメントの手法は、日本においても広く取り入れられるであろう。そして、ウェルス・マネジャーあるいはファイナンシャル・プランナーは消費者の側に立った金融のプロフェッショナルとして、大いに活躍の場を広げていくことであろう。

 

 

 

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期待値が同じ投資に関する2つの選択肢があるものとする。

[選択肢A] 期末の試算額が2分の1の確率で1000万円となるが、2分の1の確率でゼロとなる。

[選択肢B] 期末資産学は確実に500面円となる。」(野口 悠紀雄、藤井 眞理子『金融工学』p16)

Aはリスクの大きな資産であり、Bは安全な資産である。期待値は同じ500万円であるが、普通の人はBの資産を選ぶとされている(同p18)。つまり、通常の人は、危険回避的な行動を取るとされている。

これに対して、エバンスキーが、実務の中で使う最も効果的な質問として、次のようなものをあげている。

「あなたは2つの選択肢のうち、どちらがすきですか?

A.        8万ドルを手に入れる。

B.        10万ドル手に入れる確率が80%ある。

次に、もう2つの選択肢を付け足す。

A.        8万ドル損する。

B.        10万ドル損する確率が80%ある。

ほとんどの場合、われわれのクライアントは1番目の質問に対してAを選び、2番目の質問に対してBを選ぶ。彼らは金持ちになるためのリスクはとりたがらないが、貧乏になることを避けるためにはリスクを取ることが明らかに示されている。」(Evansky, Harold R. , THE WEALTH MANAGEMENT, McGraw-Hill Companies, Inc. (三原 淳雄/北山 雅一訳『ウェルス・マネジメント』p43))

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この点は消費者契約法の付帯決議においても強調されている。

衆議院 商工委員会においては、「消費者が本法を活用しつつ、事故責任に基づいて主体的・合理的に行動できる能力を培うため、消費者が、本法を始めとする民事ルールの意義・役割、契約力を向上させることができるよう、学校教育などにおける消費者契約に関する消費者教育の支援に積極的に取り組むこと」(経済企画庁「消費者契約法」p6)が決議されている。また、参議院 経済・産業委員会においても「消費者が、契約に関し事故責任に基づいた主体的・合理的な判断及び行動ができるよう、消費者教育の支援等に積極的に取り組むこと」(経済企画庁「消費者契約法」p7)が決議されている。

経済審議会の報告書においても、「ビッグバンによる金融仲介業務の差別化、多様化を控えアナリスト、ファイナンシャル・プランナーの存在が認知されるとともに、その機能の一層の充実が求められる」(経済審議会「金融ワーキンググループ報告書」p12)と、ファイナンシャル・プランナーをこれからの金融界の担い手として位置付けている。

 

 

参考文献

Bernstein、 Peter L. (1996)、 AGAINST THE GOD、 John Wiley & Sons、 Inc. (青山 護訳(1998)『リスク 神々への反逆』日本経済新聞社 )

Evansky、 Harold R. (1997)、 THE WEALTH MANAGEMENT、 McGraw-Hill Companies、 Inc. (三原 淳雄/北山 雅一訳(1999)『ウェルス・マネジメント』ダイヤモンド社)

後藤 弘(1989)『ライフプラン』ダイヤモンド社

井畑 敏、田中 英之(1989)『プランニングの技術』ダイヤモンド社

井畑 敏(1989)『ポートフォリオ』ダイヤモンド社

経済審議会・経済社会展望部会(1998)「金融ワーキンググループ報告書」http://www.epa.gp.jp/98/e/19980420e-keishinkinyuu.html (2000/10/20)

経済企画庁(2000)「消費者契約法」http://www.epa.go.jp/2000/c/0512c-keiyakuhou.html (2000/09/20)

Malkiel、 Burton G. (1999)、 A Random Walk Down Wall Street、 W. W. Norton & Company、 Inc.(井出 正介訳(1999)『ウォール街のランダム・ウォーカー』日本経済新聞社)

野口 悠紀雄、藤井 眞理子(2000)『金融工学』ダイヤモンド社

野口 悠紀雄(2000)『金融工学、こんなに面白い』文芸春秋